子供の矯正歯科治療(小児矯正)

小児矯正とは

子供の矯正歯科治療小児矯正は、おおよそ5、6歳から中学校入学前後までの、乳歯混合歯列の期間に行われます。「一期治療」とも呼ばれます。
永久歯が生え揃った12歳以降に行う「二期治療」とは異なり、ブラケットやワイヤーは使用しません。
適切な一期治療を受けておくことで、二期治療が不要になることもあります。

顎の成長を利用して、永久歯を正しい位置へ誘導

この時期は、顎の成長段階にあたります。側方拡大装置を使用し、永久歯がきれいに生えるためのスペースを確保します。必要に応じて、T4Kトレーナー、フェイシャルマスクなども使用します。 また、舌の癖の改善には、MFT(舌癖トレーニング)を行います。

側方拡大装置

歯列を側方へと拡大し、永久歯が正しく生えるスペースを確保します。
当院では、取り外し式と固定式の2種類を使用しています。

取り外し式(可撤式拡大床タイプ)

取り外し式(可撤式拡大床タイプ)装置の中央についているネジを、ご家庭で1週間か2~3日に一度、45度ずつ回していくことで、顎の拡大を促進します。

固定式(クワッドへリックスタイプ)

固定式(クワッドへリックスタイプ)ご来院していただいた際に、歯科医・衛生士が調整して顎の拡大を促進します。

T4Kトレーナー

口呼吸・舌癖・逆嚥下などの口腔筋機能癖の矯正、口腔筋機能癖の矯正による歯列と顔貌の改善が期待できるマウスピース型の装置です。
取り外し式であり、使用時間は「就寝中+日中の1~2時間」です。学校や遊びの際に外せる点は、大きなメリットと言えるでしょう。
お口周りの筋肉の正常化により、永久歯への生え替わりもスムーズとなり、歯並びの自然な改善を促します。

フェイシャルマスク

主に受け口(下顎前突)に対して使用します。上顎を刺激して発育を促すと同時に、下顎の発育を抑えます。上下の顎をコントロールし、審美性、咬み合わせを改善します。

MFT(舌癖トレーニング)

舌を前方に出す癖は、前歯の並びに悪影響を及ぼします。この癖を放置していると、骨格のズレ、抜歯本数の増加を招いたり、治療に外科手術が必要になることもあります。
口をぽかんと開けていたり、上下の歯の間から舌を出したり、飲み込むときに舌を突き出すような様子が見られるときには、お早目にご相談ください。MFT(舌癖トレーニング)による癖の改善が可能です。

保護者様へ

予防の意識を持ち、お気軽にご相談ください。

近年、身体の病気もお口の病気も、そして歯並びの乱れも、予防の意識が高まっています。お子様の歯並びを気にして早めにご相談に来られる保護者様が増えてきました。
審美面でも、機能面でも、矯正治療は非常に有効な予防歯科と言えるでしょう。だからこそ、「学校健診で指摘を受けた」「一見して歯並びが乱れている」という場合に限らず、「顎が小さい気がする」「多分大丈夫だけれど念のために」というちょっとした不安である場合にも、お気軽にご相談いただきたいと当院は考えます。
初回の相談は、30分~1時間を確保しております。ぜひ、ご利用ください。

コンプレックスのリスクを、予め排除してあげましょう。

小さなお子様が自発的に歯並びを気にすることはなくとも、思春期、青年期となると、友人や異性、その他周りの人々からの目が気になり始めます。仮に周囲が何とも思っていなくても、一度自分で気にしてしまうと、そのことが性格を左右するほどの大きなコンプレックスになることがあります。歯並びの乱れがコンプレックスとなり、積極性や明るさが失われてチャンスを逃してしまうのは、あまりにも悲しいことです。
また、きれいな歯並びは、「健康を自己管理できている」「身だしなみに気をつけている」という印象を相手に与えます。面接やビジネス、さまざまな対人関係を結ぶ場での好印象が期待できます。見た目が全てではない、という考えもありますが、「全て」ではなくとも「一部」ではあるはずです。 歯並びの乱れというリスクを予め排除してあげることは、お子様の積極性や明るさ、そして将来的な可能性を守ることにつながります。

管理しやすい歯並びは、一生の宝物になります。

矯正治療後は、歯列が整い歯磨きがしやすくなります。咬み合わせの改善も併せて進めていくため、歯・歯ぐき・顎への負担の少ない、正しく機能するお口へ導くことができます。正しく機能すれば、さらに管理は易しくなります。小児歯科では、この正の循環を、早いうちから作ることが大切です。
成人矯正でも健康や管理のしやすさを手に入れることはできますが、お子様のうちに対処しておくことで、一生のうちのより長い期間を、健康なお口と身体で過ごせるようになります。 私たちと一緒に、「一生の宝物」をお子様にプレゼントしましょう。

治療の開始時期について

治療の開始時期は症例によってさまざまです。タイミングを見計らい、5~9歳頃に開始するケースがほとんどです。
ただ、これはあくまで「治療の開始時期」ですので、「ご相談の時期」はそれより早くても構いません。特に受け口を指摘された、一見して顎の咬み合わせに問題があるような場合は、お早目にご相談ください。

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