インビザラインのアタッチメントとは?
インビザラインによる矯正治療では、歯の表側に「アタッチメント」という突起をつけることがあります。アタッチメントの効果と役割などについて、ご説明いたします。
アタッチメントの効果と役割
インビザラインにおけるアタッチメントとは、歯の表側に取り付け、マウスピースによるホールド力を高めるものです。これにより、歯をより早く、確実に動かすことができるようになります。
歯並びだけでなく、噛み合わせの改善においても役立ちます。
アタッチメントは必ず必要?
アタッチメントは、すべての方に必要なものではありません。また必要になった方も、最初からすべてのステップにおいて必ずアタッチメントがつくというわけではありません。
必要な方に、必要な時期に取り付けます。
なお、アタッチメントは白いコンポジットレジンでできており、歯科用の接着剤で取り付けます。審美的影響は最小限に抑えられます。
アタッチメントはいつまで付けておく?
アタッチメント通常、治療開始時、または治療開始2週間~1カ月後から必要になり、原則として矯正治療の終了まで使用します。
治療が終わったときにアタッチメントを取り外し、保定期間へと入ります。
アタッチメントが痛い時の原因と対処法
マウスピースを初めて付けて違和感がある
アタッチメントを取り付けてから初めてマウスピースを装着するとき、アタッチメントの厚みの分、ややきつく感じることがあります。
ただ、これは2~3日すれば和らぐ違和感ですので、心配はいりません。異常な痛みを感じたときには、すぐに当院にご連絡ください。
歯が移動している
歯を動かすときには、歯根膜が刺激されて痛みが出ます。アタッチメントを使うことで歯をしっかりと動かすことができますが、その分、痛みが強くなることがあります。
こちらも、同様に2~3日すれば和らぎます。
マウスピースの着脱時の引っ掛かり
マウスピースにはある程度の柔軟性がありますが、ほぼ隙間なく歯列にぴったりと密着するものですので、着脱の際には多少引っ掛かるような感じがあります。
あまりにも着脱のときの痛みが強い、着脱に時間がかかるという場合には、マウスピースの縁を加工するなどの対応をします。
食事中頬の内側に当たっている
食事の際にはマウスピースを取り外すため、アタッチメントがむき出しになります。これが頬の内側に当たると、場合によっては痛みを感じることがあります。
アタッチメントの形を調整するなどの対応をいたします。
アタッチメントは着色する?黄ばまないための方法は?
アタッチメントは歯の表側に取り付けるものです。そのため、コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレー、ソースなどで少しずつ黄ばんでしまいます。
黄ばませたくないという場合には、色の濃い食べ物・飲み物を避けたり、食後すぐに歯磨きをすることで、ある程度の予防が可能です。
また、クリーニングによって黄ばみを落とすこともできます。
アタッチメントがすぐ取れる?原因と対処法
アタッチメントが取れやすい原因
口内の汚れ
アタッチメント周辺は、その段差によって汚れが溜まりやすくなります。そしてこの汚れがアタッチメントの劣化を早め、取れてしまうことがあります。
マウスピースの取り外し方が正しくない
治療開始時に指導いたしますが、マウスピースの着脱の際には、両手を使って、左右対称の力をかけます。これを怠り、片手で偏った力をかけるなどすると、アタッチメントの脱落や、マウスピースの変形・破損などにつながるおそれがあります。
噛み合わせが深い
噛み合わせが深いと、噛んだときのマウスピースにかかる力が大きくなるため、アタッチメントの脱落の原因となることがあります。
硬い食べ物を食べている
せんべいなどの硬いものを食べるとき、その食べ物が直接当たるなどして、アタッチメントが取れてしまうことがあります。
キャラメルなどの粘着性の高いものも、できる限り避けるべきと言えるでしょう。
歯に被せ物をしている
アタッチメントを取り付ける歯が被せ物である場合、天然歯と比べると、やや接着力が落ち、アタッチメントが取れる原因になることがあります。
アタッチメントが取れた時の対処法
アタッチメントが外れたからといって、すぐに矯正治療が台無しになるということはありません。まずは落ち着いて、通院している歯科医院に連絡しましょう。アタッチメントは、再設置が可能です。
アタッチメントを飲み込んだ時はどうする?
万が一アタッチメントを飲み込んでしまった場合も、慌てる必要はありません。時間が経過すれば、自然に排出されます。
なお、この場合も必ず、通院している歯科医院に連絡し、アタッチメントの再作製・再設置を行いましょう。